SKAJUN(スカジュン)(あきばっか〜の踊り手)が描くダリの世界。関節も、パワーも、性別も、超越した者がたどり着いた境地。
曲名:ピースサイン(作品:僕のヒーローアカデミア OP2)
とけるとしょまとがんそ(しょまはいない)(とける、がんそ)
vs
おねすか(ネス/NESS、SKAJUN(スカジュン))
SUKAJUN(スカジュン)のムーブを一言で説明するのは難しい。
なぜなら、彼はムーブの中に常に相反する要素を入れてくるからだ。
身体が驚異的に柔らかいのにその流れでパワームーブを放つ。
男性らしく煽ったかと思うと、女性のような仕草で会場を沸かせる。
関節がどこまでも可動する。頭に足を引っ掛けたまま、踊る。
短い間隔で技の種類が変わりつづけるハードなアクションを、驚異的な体力で踊りきる。
どこにもない表現。どこにもなかった組み合わせ。
彼のダンスは、これまで築き上げてきたあなたの価値観をすべて壊していく。
絵画の世界でも、どこにもなかった組み合わせや価値を提唱した者がいた。
その名は「サルバトール・ダリ」。
ダリが「柔らかい時計」を描き、不安と欲望を発信したように、
SUKAJUN(スカジュン)はこれまでのダンスの定義を壊す組み合わせを持って、あきばっか〜ので、強い世界観を発信している。
最初のタオルを使ったブレイクダンスも捨てがたいが、やはり5:20で米津玄師の「ピースサイン」の歌詞に合わせて決めたフリーズを見てほしい。
手ではなく、足2本を使ってぴったりとピースを決めた。なぜその角度でピースができるのか。
そしてそのまま宙に浮くことができるのか。SUKAJUN(スカジュン)の世界は謎が謎のまま進行する。
会場がそのメッセージに気づき、徐々に興奮してボルテージが高まっていく様が痛快である。そのとき、すでに彼らは、SUKAJUN(スカジュン)が作りあげた世界の住人となっていた。
普通のムーブに飽きてしまったら、彼の世界観の中に、入り込めばいい。(SKAJUN(スカジュン)のベストムーブ)
『あきばっか~の vol.12』BEST8第三試合(4:40あたり)
曲名:カオスシンドローム(作品:CHAOS;CHILD ED)
セクシーコマンドー部(Mega☆音、クレヨンすかちゃん)
vs
BLACK SPEC(KGO、ソレイユ翼)
SUKAJUN(スカジュン)が好きなクレヨンしんちゃんのおしり星人でスタート。
お尻と足でできた存在が、相手チームに歩みよる。その後、高速ヘッドスピンである。
おしり星人の次のムーブがヘッドスピンだなんて、誰にもわからない。
その後、多種多様な技を折り込む回転を披露する。
数秒単位で技が入れ替わる、濃厚な技の重なり。
相当な体力と、どの技でも常に引き出せる瞬発性が問われる。
パワーで圧倒されていると、不意に関節の柔らかさを活かした不可思議な姿勢からのムーブが挟み込まれる。相反する性質のムーブが織り交ざり、それぞれのムーブがより際立つ。