SCYTHE JAPAN(サイスジャパン)(あきばっか〜の踊り手)は孤高の陶芸家。指先からほとばしる感性を頼りに、己の道をひたすら突き進む。
周りの声が気になる時代だ。とかくこの世はそれが聞こえやすい。
SNSを開けば、たやすくそんな声を拾ってしまう。それはそれで「わかりやすい」時代かもしれないが、知らず知らずのうちにその声が気になるようになってしまった。
何かを決める前に、必ずネットを調べてしまう。誰かがいいと言っている。それならば大丈夫。そうやって、僕達は誰が言ったかわからない声を信じ、声に惑わされ、保険をかけながら生きている。
しかしそこから、心震えるような強いものは生まれるのだろうか。
SCYTHE JAPAN(サイスジャパン)は自分で考え、手を使い、指を使い、その動きの進化のみに集中する。
まるで陶芸家のそれである。己と向き合い、己に正直になり、響いたもののみを取り入れる。
タットやクランプ、フィンガータットなど、ひと癖もふた癖もあるパフォーマンスで我々に問いかけてくる。
お前がやっていることは、はたして心からやりたいことなのか?
最初に紹介したいのは、「回レ!雪月花」のムーブ。
叩きつけるように早いリズムにタット、次にフィンガータットが繊細に舞い踊る。
と思えば帽子で笑いを入れて、かと思ううちに荒々しいクランプ。
次々に変わる引き出しの多さ。独自の解釈がかっこいい。すべては自分が軸なのだ。
「回レ!雪月花」の世界とシンクロし、思わずあつきも叫んだムーブ。
あきばっか〜のvol.6の「回レ!雪月花」から年月が流れ、SCYTHE JAPAN(サイスジャパン)vol.16の本戦に現れた。
SCYTHE JAPAN(サイスジャパン)の突き進む道はあの頃と少しも変わらない。
変わったのは精度だ。恐ろしいほど研ぎ澄まされている。見る人にビンビン響く。
正確で大きなムーブ。
一層バリエーションが増えたフィンガータット。
皆を心地よくのせるリズムの緩急。
ポプテピピックの癖のある世界観さえ飲み込んでしまいそうな強さ。
路上でパフォーマーとしても歩む彼のタフな精神とバリエーションは、そこらにいるダンサーの比ではない。