りょ→(あきばっか〜の踊り手)は一流の回し者。コマだけでなく、観客の心も回してゆさぶる。
ファーストムーブは異端児。彼はいつものごとく下着をユニフォームのように着こなし、会場をあやしさと明るさが溶け合う摩訶不思議な空間に仕上げた。
その後がりょ→の出番。ハンドシェイカーのゆったりした音楽に合わせて、信じられないことにコマがリズムを取りはじめる。
あれは生きているのか。
だんだんとコマの動きが大きくなる。人間の複雑なムーブの美しさに勝るとも劣らず、その動きは美しい。人間には出せない高さを有効に使い、大きな動きで魅了する。
その滑らかな動きに、観客はただただ、コマの軌道と、それを操るりょ→を見るのみだ。
歌の構成が変わるたび、コマの動きも変わる。
ゆっくりとたゆたうように回ったかと思えば、高くに飛び上がる。かと思うと、おどけたようにリズムを刻む。
人ではなく、コマが。
その次々に起こる扇動的な動きに、会場のボルテージも次第に高まってきた。
最後にコマを天高く放り投げ、それをキャッチする大技を成功させた時、りょ→が操っていたのは、観客の心だった。
りょ→にとって、ディアボロを扱うことは、心を捉えることと同義である。
大道芸とアニソンが、溶け合うのを見たことはありますか?(りょ→のベストムーブ)
『あきばっか~の vol.13』BEST16第三試合(3:30あたり)
曲名:一件落着ゴ用心(作品:AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION- OP)
厄介ボーイズ(りょ→、ota-big)
vs
バカとオタクとティータイム(ネス/NESS、池の人)
ミスなしで踊った回。
ネス/NESSとの再戦になったが、その手数と安定感はさらに増している。
そのコマ、本当はくっついているのでは?そう思いたくなる位、音に合わせて自在に動く。
あまりにもりょ→のコマ使いが安定しているから、安心してネス/NESSや池の人も参戦できる。
相手チームも合わせて盛り上げる。
みるだけで楽しい、まさに大道芸とアニソンの融合の極地を見ることができる。