Ko-suke(あきばっか〜の踊り手)は手錠をはめたルパン三世。自在にボールを操り、我々の心をごっそり奪っていく。
ダンサーに混じって、フリースタイラーやサッカーボールを使ったアイテム勢が活躍するのがあきばっか〜のの魅力だが、そこに制限を感じる場合も多くないだろう。
しかし、それはKo-sukeに限っては無用の心配だったと言わざるを得ない。
フリースタイラーは手を使わずにリフティングを行う。
ただ、踊るという一面においては、表現力の一部が削がれてしまう。さらに、当然ではあるがボールを落とさないようにしながら、魅せなければならない。
これは、子守をしながら踊るようなものだ。
しかし、Ko-sukeの番になって、この演技はどうだ。
足かせ(手かせ)となるはずのボールが、曲調に合わせて実に楽しげにKo-sukeの周りを遊んでいる。
それをさらに喜ばせるかのように、Ko-sukeは身体中を使って、ボールを遊ばせてあげている。
リフティングが、なぜこんなに安定するのか。
顔の上のボールが、なぜくるんと一周するのか。
ああ僕は、ボールになりたい。
次々に、技を変えながら、Ko-sukeは驚きの世界を披露していく。
最後は、ボールを宙に舞わせ、キャッチと同時のエアチェアである。
「手を使ってはいけない」手錠をはめながら、どこまでも自由に舞う。
ルパン三世が手錠をかけられても、いとも簡単に抜け出すのと同様、
彼にとっては、手が使えるとか使えないとかは、所詮は小さなことなのだ。
同じアイテム勢のあぱっちと参戦した一戦。
サッカーボールを使ったルーティンという珍しい技から入ったあとはKo-sukeの独壇場だった。
世紀の大泥棒は、会場の関心をすべて奪っていく。
顔にボールを載せたまま、指で煽ってから
サビの入りと同時に顔の上で、意思を持ったかのようにボールが回る。
ボールを落とす危険と隣合わせのジャンルなのに、
危険であればあるほど、彼は飄々とそれをこなす。